施設から引き取ってきた小型犬が噛みつく
「飛びつく」「触ろうとすると噛みつく」「人になれない」「注意すると逃げ回る」
そんな悩みを抱えた方からの相談がありました。
この子は実際に会ってみたところ、完全に人間を信頼していなかったのです。頼ろうともしていません。勝手気ままに育ったせいでしょう。まだ若い子でしたが、施設に引き取られた理由はお聞きしませんでしたが、
この触ろうとすると噛みついてくるクセ。これがどうしようもなく目立ったのです。
パニックを起こしたとき、背中を触ろうとする飼い主さんまでも噛みつくのですから、完全に買い主を頼りとしていないこと、人間というものをまったく理解していないことに気づきました。
怯えているかというと、確かにおびえというか多少の緊張は感じます。しかし、これが神経質な性格からでているのかというと、そうではなく、普通に何もしなければ、単に人間という生き物を理解していなかっただけでした。
そういった子でしたから、自分の好きなように生活し、そしてそれに飼い主さんは振り回されていたのです。
そこで、原因である人間という生き物の再認識をさせることにしました。
私が捕まえようとすると暴れ狂う小型犬の子。
大型犬ホワイトシェパードを見慣れてしまっている私ですから、まったく恐怖を感じずにいました。
暴れ狂いながら、噛みついてくるのですが、これは完全に立場の入れ替わりが起こっていたのです。行動がまるで怯えなど感じさせず、ただ触るな!と思い切り主張する行動・仕草を見せていました。
リードをしていてもなかなか捕まえることができず。といいますか噛みついてきますので、とりあえずスキを見せたとき、この小型犬の子を捕まえ、すかさず犬の感情表現法である、上位の立場の子が、まるっきり敵わない下位の立場の子に対して見せつけるボディーランゲージを施しました。
それでも暴れようとする小型犬。理解させるには力を抜くまでおこなわなければなりません。
このやり方は、コツがありますし、やり方を間違えれば、ただの遊びとなってしまうこともあります。ですので、ここでは公開しません。
そうやってその姿勢を貫き通していますと、やがて折れます。そしてフー・・・、とため息をつき(冷静になったということです)力を抜くのです。
そしてそのまま上位の子が取る姿勢を崩さずに、人間というものへの意識、立場の違いを再認識させるために、そのまま続けました。
2分ほどして、ゆっくりと人差し指で触れているとその姿勢を崩さないまでに意識をし出し、次第に下位の立場の子がとる仕草になってきましたので、指を離しました。
そうすると、その小型犬の子の表情に落ち着きが出てきて、動きも勝手な動きをせず、冷静に行動するようになりました。
それから何もせず色々と飼い主さんへその子の気持ちを伝え、その解決策が今の行動であること、そしてそれがどのような意味を持つかなどを説明し、今後の生活での接し方を変えることをお話ししました。
とりあえずその子の行動の変化を飼い主さんに理解して貰うために、このやり方の前の状況と、今の状況の変化を説明しながら、その行動の変化に驚きつつ、納得していただけました。
しばらくして、私が顔を近づけると、ペロリ。優しくそっと顔を舐めてくれました。
今まで人間というものを間違えて理解していたこと。それに気づいた小型犬の子の動きの緩やかさ。
触ろうとしても触らせてくれなかった子が、力を抜いてじっと飼い主さんの側にいて、人の顔まで舐めるまでになったこの変化に、飼い主さんも相当驚きを隠せずにいました。
これが犬の言葉を使った再認識方法です。
「人間」との立場の違いを再認識させる。これでおっしゃっていた悩みは解消されたようです。
・・・他にもクセはありそうですが、それ以上はおっしゃらなかったので、それで終了となりました。
まあ、これは多くの方がこれをご覧になっていらっしゃったので、その変わりようもご覧になりましたので、犬の言葉の不思議な力を感じられたことでしょう。






